再生医療を、医療として成立させる。

再生医療は、これまで治療が難しいとされてきた疾患に新たな可能性をもたらす医療として、大きな期待を集めています。幹細胞技術の発展に加え、細胞製造技術や品質評価技術も大きく進歩し、研究室で生まれた成果が、実際の医療へとつながる時代を迎えています。一方で、その可能性を社会へ広く届けるためには、優れた細胞や技術だけでは十分ではありません。

私たちは創業以来、一貫して「再生医療を医療として成立させるには何が必要なのか」という問いに向き合ってきました。再生医療は、優れた技術だけでなく、安全性を担保する品質管理、法令を遵守した運営体制、細胞を確実に患者さんへ届ける仕組み、十分な知識を持つ医療従事者、そして患者さんからの信頼、そのすべてが揃って初めて「医療」として社会に根付きます。

これまでの再生医療が、より良い細胞や治療技術を生み出す「Cell Science」を中心に発展してきたとすれば、これから必要になるのは、それらを安全かつ持続可能に患者さんへ届ける「Cell Infrastructure」であると、私たちは考えています。だからこそGaudi Clinicalは、「技術を届ける会社」ではなく、「信頼される医療を支える仕組みをつくる会社」でありたいと考えています。

2021年の創業以来、私たちは東京・日本橋に細胞培養加工施設(CPC)を設置し、医療機関とCPCをつなぐ細胞調製施設「KIOSK」を開発・運用してまいりました。KIOSKは、単なる小型の細胞加工施設ではありません。標準化された設備、品質管理、運用を医療現場へ実装し、地域によらず一定の品質で再生医療を提供するためのプラットフォームです。さらに、細胞製造、品質保証、物流、投与、治療データを一元的につなぐ再生医療オペレーティングシステム「NEWTon」を開発し、私たちが描く構想が本当に医療現場で機能するのか、そのPoC(Proof of Concept)を積み重ねてきました。その実証を通じて、私たちはこの仕組みが医療現場で機能し、さらに広く展開していけるという確信を得ています。

そして今、Gaudi Clinicalは、この仕組みを日本各地へ展開する新たなステージに入ろうとしています。私たちは、この再生医療の新しい社会基盤を「Cell Fulfillment」と呼んでいます。Cell Fulfillmentとは、単に細胞を供給する仕組みではありません。KIOSKを起点として、細胞培養加工施設、医療機関、品質保証、物流、教育、データマネジメント、レギュラトリーサイエンスを有機的につなぎ、再生医療そのものを患者さんへ届けるための仕組みです。

中でも、私たちが特に重要だと考えているのが「教育」です。安全な再生医療を提供するためには、医師や歯科医師だけでなく、看護師、薬剤師、臨床工学技士、事務職員を含む医療機関全体が、再生医療について正しく理解し、それぞれの役割を果たせることが必要です。教育は、単なる付加的なサービスではありません。私たちは、持続的な教育を、安全な再生医療を支えるインフラそのものと考えています。継続的な教育コンテンツの提供を通じて医療機関全体の再生医療リテラシーを高め、院内に安全な再生医療を支える体制を構築していくことも、Gaudi Clinicalの重要な使命です。

また、私たちが目指すCell Fulfillmentは、再生医療等安全性確保法に基づく医療だけにとどまりません。今後さらに普及が期待される再生医療等製品についても、そのラストワンマイルを支えるインフラとして機能し、アカデミアで生まれた優れた研究成果を患者さんへ確実に届ける架け橋となることを目指しています。

日本には、世界に誇る再生医療技術があります。私たちは、その技術を「研究成果」で終わらせることなく、安全かつ科学的に妥当な「医療」として社会に根付かせていきたいと考えています。そして、日本で培った品質マネジメント、医療安全、デジタル技術を融合したCell Infrastructureを世界へ展開することで、日本が再生医療の分野で世界をリードしていくことにも貢献したいと考えています。Gaudi Clinicalは、再生医療を一部の専門施設だけで行われる「特別な医療」から、地域医療の中で「社会から信頼される当たり前の医療」へと変えていきます。

再生医療を、医療として成立させる。そのためのCell Infrastructureをつくり、世界中の患者さんが、必要な時に必要な治療へアクセスできる未来を実現する。それが、Gaudi Clinicalの使命です。

株式会社Gaudi Clinical
代表取締役CEO 飛田 護邦